土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2006年8月30日(水)
去年のガクトの仔:二歳魚の伸び
2006年4月9日 2006年8月30日

 ここ数日で、やっと朝晩が少し涼しくなる気配が見えて来ました。

 しかし、ベランダでの飼育では、昼夜の水温差が屋上よりはるかに少なく、風の通りも同様に悪いようです。

 新しい環境に少し不安を感じながらも、これまでの飼育の結果、二歳魚がそれぞれ伸びてきているのを感じています。

 写真は昨年のガクトの仔の中で、最も顔の尖りが良かった魚で、現在二歳の雄魚です。
 春からここまでの飼育で、写真の通り渡りも長くなり、尾が大きくなってきていますが、返しがもう一歩といった感じで、腹も少し太さが足らない感じです。
 温度差の少ないベランダで、これからの秋の創りが課題です。

2006年8月29日(火)
ガクトの仔2nd

 一昨日、支部長に訪問して頂いた事が、非常に励みになり、ここ1ヶ月の傷心が一気に晴れたようで、清々しい気分で、日々の管理を行っています。

 支部長だけではなく、あの後もさらに多くの方々にメールを頂いたりもして、皆様のおかげで立ち直る事が出来たと思っています。この場で失礼ではありますが、御礼申し上げます。

 さて、今日の写真は支部長に一番高い評価を頂いた当歳で、ガクトの仔2ndエディションの1尾です。
 尾の大きさが際立っており、全体の雰囲気が非常に良いとの事でした。筒の感じも良く、急に泳ぎ出したかと思うと「ぱっと」静止して再々極めてくれるので、写真にも取りやすい魚です。夕方遅くの撮影で見難いので、休みにでも日中に撮ってみたいと思っています。
 この兄弟達は、支部長の所ではほとんどが丸手になっているとの事ですが、うちではそこまで丸手のものは残らず、少し長目のものが多い状態でした。選別と飼育方法もさりながら、餌が大きく影響しているとの事でした。
 現在うちで残しているこの兄弟は3尾ですが、それぞれ非常に魅力的な特徴を持っていて、さすがに先が楽しみな魚達です。
 この3尾を含めて現在は1鉢に6尾で飼育しています。 

2006年8月27日(日)
品評会場の下見・・・+α!

 今日は、トサキン保存会西日本支部の支部長とともに、品評会の会場の下見に行って来ました。
 会場の東区民文化センターは、私の予想をはるかに越えて素晴らしい設備で、広島駅から徒歩10分あまりの利便性と、無料駐車場40台だけでも十分に満足のいく条件ですが、さらに写真の通りの広さと美しさで、使い勝手とビジュアル効果を兼ね備えた会場で、当日の様子を思い浮かべて今から興奮を感じるほどでした。
 会場を紹介して頂いた副支部長のI氏の人脈のなせる業で、会の今後の繁栄が目に浮かぶようです。
 ちなみに今年は第一回の記念すべき品評会で、11月19日(日)10時から行われます。

 また、今日はなんと、支部長に私の自宅へお越し頂き、飼育魚を見て、多くのご助言を頂く事が出来ました。
 残すべき魚とその形質的特長について直接教えて頂き、今回のベランダへの移設に伴って、厳選して残した魚達に対し、「皆、残すべき特徴があり、あの規模で、よくここまで揃った良魚をこれだけ多数残せたものだ」と、過分の評価を頂き、勇気付けて頂きました。

 また、餌の量や、日よけの方法など、この環境に変わった事に合わせて、自分なりに理論的に考えて飼育方法を変更している点についても、正解であるとの判断を頂き、合わせて風をさらに使う方法についてのアイディアなど、今後の飼育にも非常に参考となる事が多くありました。
 この場をお借りして、重ねてお礼申し上げます。

 下の写真はEの中から残している1尾で、板前で返しは浅いのですが、2歳以降に狂いが出なければ楽しめる魚との評価でした。

 それから、昨日ベランダにプラ舟をもう一個増設し、80Lプラ舟は3舟、丸鉢2個の設備としています。

2006年8月20日(日)
丸鉢で見る当歳魚

 今日の写真は当歳魚のAです。サイズ的にはまだ小さいのですが、1鉢に6尾としています。
 毎朝の換水で、水の傷み具合もそれほどではなく、泳ぎの様子なども合わせて考えてみると、7〜8尾入れていても大丈夫な感じで、やはり少し少ないように感じています。


 この鉢の魚は丸手で、目先の尖りが良く、両親の優れた点を良く引き継いでいるようです。全体的に尾は少し小さめですが、将来性をはっきりと感じさせる雰囲気を持っています。

 また、この鉢はどんどん色が変わっていて、雌親の血が褪色の速さに強く表れているようです。
 昨日も1尾が褪色を始めて、残りは2尾のみが黒い状態となっています。

 下の写真はこのうちの1尾で、以前にも紹介した魚です。最近特に腹出しが良くなり、写真の通りのメリハリのある体型となってきました。
 この魚は特に尾筒と腹引きが良く、目先から金座にかけてのラインなど、非常に気に入っています。

 土佐錦魚は、本当に丸鉢が似合う魚で、丸鉢で見ると欠点が見え難く、非常に良く見えるものです。
 時に洗面器に上げて見るより、良く見える事がありますが、今日のこの魚も非常に良く写っていると思います。

 8/5の日記で紹介した時には、もう少し色が抜けて鹿の子模様か赤勝ちの更紗になりそうだと思っていましたが、背鰭の前のみが白い”ほぼ素赤”となって落ち着くようです。

●金魚関連のテレビ放送情報
 NHKで毎週放送されている「美の壷」という番組で、「File11金魚」が再放送されるそうです。同じく一昨年NHKで放送された「金魚大百科」と同様なシーンの使いまわし?もあったりするようですが、新たな撮影ものもあり、全く切り口の異なる番組構成ですので、どのような感じで紹介されているか楽しみにしています。(私も前回の放送:6/16は見逃してしまいました) ちなみに土佐錦魚もごく僅かですが紹介されるようです。放送は8月25日(金)午後10時00分〜10時25分で、NHK教育テレビのようです。詳しくはhttp://www.nhk.or.jp/tsubo/#まで。
2006年8月18日(金)
皆様の励ましの言葉、心にしみています。

 先日の規模縮小の日記を見られて、多くの方から、メールや掲示板への書き込みで、心からの励ましのお言葉を頂き、本当にありがとうございました。

 今回の件で、土佐錦魚に関わる方々の、このHPや私自身に対する期待の大きさをあらためて感じて少し怖くなる程でしたが、その反響の大きさに本当に驚いています。

 HPの方も、昨日は300件弱のアクセスと非常に多くの方に訪問して頂きましたが、今日は10時半で既に300件を超えるのは確実となっている状況です。

 頂いた励ましのお言葉に対して、それぞれの方へのお礼の返事をするのが筋ではありますが、時間的に限界ですので、この日記でお答えと出来る部分は、お返事を省略させて頂きたいと思います。

 まず、今回の規模縮小で残した魚ですが、三歳魚が雌雄1ペア(16日の褪色中の雄と右の写真の白勝ち更紗の雌)、二歳は雄が3尾(Eの黒い雄、Kの更紗の雄、昨年11/16の日記の長手の雄)と、雌が2尾(Nの丸手の雌、Kの黒い雌)で、当歳はAの1鉢(6尾)と、「B,E,I,K,P」の鉢から1尾ずつ(Pのみ2尾)
を1鉢とした6尾が全てです。
 
 これらを残すに際しては、品評会用の無傷の魚を残すのではなく、1点でも気になる特徴を持った魚を種親として優先して残しています。
 つまり、採卵を諦めた訳ではなく、”「自分なりの土佐錦魚を創る」ために今後に繋がる事”を最優先としています。

 そのため、既に他の魚は全て他へ譲りましたので、不要魚の引取りを希望される旨のメールを幾人からも頂きましたが、残念ながらお譲りできる状態ではありません。

 また、飼育設備についても、出来るだけ早い時期での再開を目指していますので、処分するつもりは今のところありません。

 まだ、心の整理がつかない状態というよりは、何事もやる気を失ってしまって張り合いを無くしている状態、と言った方が正確だと思いますが、これからは、この最小限の規模で、どこまで出来るか、可能性を探ってみようと思っています。

 良魚を得る確率や経験を積む機会は非常に少なくなりましたが、その分を数少ない魚への細かな管理と十分な観察で、”創り込みを知る機会”と捉えて、自分への試練としてみようと考えています。

 いつの日か「たったこれだけの設備で、ここまでの魚が出来るのか!」と言われるような土佐錦魚創りを目指して、短い管理時間というの制約の中で、どこまでできるか頑張ってみたいと思います。


 今日の写真の当歳魚は、まだ体長4cm程度ですが、小さいながらも理想的な姿を見せているAの鉢の1尾です。残している6尾の中では他より少し大きめで、丸手の綺麗な体位で尾も大きく、気に入っている魚です。
 上の写真の白勝ち更紗が雌親ですが、雰囲気が良く似ています。この親魚も最近急に尾が大きくなってきたので、先が楽しみな魚です。

2006年8月16日(水)
10万アクセス達成ですが・・・、飼育規模をやむなく縮小です。

 先日から、多くの方にご迷惑をかけながら、色々と対策を検討しましたが、家庭の事情でどうしても都合がつかず、屋上の飼育設備を全て撤去する事となりました。

 土佐錦魚の飼育については、設備の一部を最小限の規模で、ベランダへ移設して、なんとか続けていきますが、スペース上の制約もあり、丸鉢2個と80Lプラ舟2個が全てとなってしまいました。

 貯水タンクも150Lのものしか置けないのですが、丸鉢の毎日の換水はどうにか続けて、舟は2日程度で換える様にしています。
 ただ、管理時間が非常に短くなり、朝夕の給餌を含め各20分弱で管理が終わり、非常に寂しい感じがしています。

 飼育魚については、トサキン保存会西日本支部の仲間で、一番うちに近いNさんの所で、無理を言って引き取って頂きました。
 これまで飼育してきた魚ですので、できるだけその将来の姿を見たいという私の我侭を快く引き受けて頂き、本当に感謝しています。この場を借りて改めて御礼申し上げます。
 家が近い事もあって、時折お邪魔させて頂ければと思っていますので、これからもよろしくお願い致します。

 また、HPの運営については閉鎖も考えましたが、多くの方に支持して頂いている事と、会の事務運営にも影響が出る事から、一応継続する事とするつもりです。

 ただ、非常に心苦しいのですが、最近の日記の更新状態のように、日記は週に1度か2度、その他のページ更新はあまり期待できない状態になりそうで、掲示板への対応も、それに準じて滞る事となりそうです。

 このHPを見られている方は、毎日200〜250名程度もいらっしゃいますが、最近は特に日記が滞っている事もあって、さらにアクセスが多くなっていました。
 私自身の心の整理がつかず、日記での状況説明が遅れてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

 HPは今日で10万アクセスを達成しました。昨年3月の本格公開以来、1年5ヶ月足らずでの驚きの数字です。多くの方々の期待の中、今後は飼育もHPもかろうじて続けている状態となりますが、残した僅かの土佐錦魚を丁寧に飼育するつもりです。


 写真の一番下は親魚の雄で唯一残した三歳魚です。褪色は非常にゆっくりですが確実に進んでいます。

2006年8月10日(木)
暑い日が続きます

 今日も暑い一日でした。当歳魚は最近餌をかなり絞った事もあってか、良く泳ぐようです。左右の親骨の張り具合が異なっていたものも、最近は杉板での覆い方法を変えていた事もあって影があまり出来ず、この相乗効果で泳ぎと尾型が改善しつつあるようです。

 写真はBの中の1尾です。この兄弟達は特徴的に、親骨が非常に柔らかく、静止すると写真のように張るのですが、泳ぐと肩を流しています。
 雌親の特徴を確実にひいているようです。

 写真では大きく見えますが、実際はまだ口先から尾の先までが4〜5cmのサイズです。普通であれば前に来過ぎているのでハネの所ですが、後ろが小さい事以外は結構気に入っている魚なので、経過を見ておきたい魚です。どうなる事でしょうか?

2006年8月9日(水)
猛暑

 広島では梅雨明け以降、晴天が続いて、昨日今日は35℃を越える気温を記録し、丸鉢の表面付近の水温は40℃近くまで上がっています。

 写真はAの中からの3尾です。ここ数日間、餌を極端に控えた事と、撮影が朝の給餌前という事もあって、かなりスマートですが、異なる系統同士の掛け合わせのためか、腹型一つをとっても差が見られますが、皆それぞれに味があって気に入っています。

 この腹は褪色が早く、ここ最近の暑さもあって、7尾を残している中で、褪色中のものが4尾となっています。

 ●トサキン保存会西日本支部の会員の皆様へ●
 
共同購入のFRP洗面器を注文された方は、納期が8/20頃に遅れる見込みとの連絡がありました。お待たせをして申し訳ありません。
2006年8月5日(土)
当歳魚の褪色と体型

 今日の写真は8/3に紹介したAの中のお気に入りの1尾(褪色中)です。

 朝一回のみの給餌前の写真で、夕方はさらに丸々としていますが、朝のこの腹型と目先が個人的には理想のタイプではないかと思っています。

 さすがに当歳のこの時期の褪色はスピードが速く、2日で、ここまで色が乗っています。

 この魚は赤勝ちの更紗になりそうですが、尾に癖も無く、渡りや尾芯の長さ、後ろの大きさなど、非常に気に入っています。

2006年8月4日(金)
3歳の褪色のその後
 以前7月8日の日記で、褪色が始まっていると写真で紹介した三歳魚ですが、現在はこんな感じに色が変わってきました。

 角度の違いで2枚の写真を掲載していますが、同一魚で、「土佐錦魚を創る」のHPのトップに大きく写真を紹介している雄魚です。

 三歳魚での褪色ですので、やはりゆっくりとした速度で少しずつ変わっていますが、虎禿状の現在の模様もなかなか味があって楽しめます。

 毎日少ずつ変化する姿を実感できるので、褪色中は特に管理が楽しく思えますが、今年は当歳魚もあちらこちらで褪色が進んでいて、素赤かと思った魚が更紗になったり、真っ白かと思われた魚が白勝ち更紗になったりと賑やかです。  
2006年8月3日(木)
毎日膨らむ当歳の腹
A7尾(5/3孵化) 左の中のお気に入り

 今日も暑い一日で、夕方少し前には、非常に強い夕立もありました。

 丸鉢は毎日の換水を行っていますが、日に日に目に見えて体幅が増しているようで、日々の管理が楽しみな状態です。

 

2006年8月2日(水)
換水のサイクル

 今日の広島は非常に暑く、気温は35.5℃まで上がったそうです。晴れの日が1週間続いて、換水に追われる日々です。

 今日は、朝は6鉢+1舟、夕方は7鉢+2舟の換水としています。この頻度で管理していけば、丸鉢を毎日換水、プラ舟を2日に一回の換水となり、うちでは目標とする換水サイクルとなります。

 朝夕ともに1時間の管理ですので、今の生活では既に限界を超えているように感じますが、あと2ヶ月はこのペースを保つ必要があるので、頑張るしかありません。

 今日は
夕方遅くから雷雨があり、かなり雨も降り込んだと思います。本来は雨の後の換水がセオリーですが、明日もこのサイクルでの換水が精一杯です。魚の方は、この管理に慣れているので問題は無いと思いますが、まだまだこれからが管理も本番ですので、気が抜けない毎日です。

 今日は換水のついでに、少し選別をして、全ての鉢で8尾以下としています。

モルタル丸鉢(日付は孵化日)
G8尾
5/14
N8尾
(6/11
K-18尾(5/27 E-2:8尾(5/14 A7尾(5/3
I:会分譲魚:8尾
(5/初
L:8尾
(5/27
PO氏分譲魚
8尾(6/1

E-1:8尾(5/14 B8尾(5/4

プラ丸鉢 40Lプラ舟■
K-37尾
(5/27
O8尾
(6/17
M5尾
(6/4
混合ハネ8尾 予備(空き)
2006年8月1日(火)
色変わり

 今日からいよいよ8月に入りました。暑い日が続いており、丸鉢の水は1日持たせるのがやっとという感じです。

 昨日同様、朝と夕で丸鉢は全て換水し、2歳以上のプラ舟も2舟を換えています。

 今年は様々な系統で掛け合わせを行い、それに伴って褪色が始まっているものが比較的多くなっています。
 
 上の写真は、A(5/3孵化で、7/26の日記でもアップで紹介した魚です。褪色が早い魚にはなかなか良い魚が少ないのですが、この魚は今のところあまり目立った欠点が無いようです。

 褪色中の疲労感が伺える写真ですが、もう少し進んで褪色が完了すれば、再び太みも出て成長を再開するはずです。

 また、昨日は、写真下の二歳魚を導入しました。うちの場合は雌がやや不足しているので、丸手で目先の良い雌を来年の種用にと考えて購入しましたが、着いてみると追星もうっすらと確認でき、排泄孔も小さく、間違いなく雄のようです。

 それにしても素晴らしい発色の更紗で、他の欠点を十分に隠してくれる魚でした。来年はこの魚でも1腹採ってみたいものです。

 非常に体調が良く到着したので、一夜明けた今朝から少し控えめの給餌も行っています。

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