土佐錦魚訪問記 2008

私が実際に見学させて頂いた飼育家の皆様の飼育環境などを紹介します。
(写真はクリックすると拡大します)

取材させて頂いた皆様へ:見学させて頂いたばかりか、撮影およびHPへの掲載許可を頂き、ありがとうございました。

(ご本人の希望により、プライバシーに関わる部分には、表現や画像加工などで情報を制限しています)

丸鉢ライン

小川様(当歳魚、二歳魚の夏過ぎて・・・):広島県F市(2008年9月2日)
 久しぶりの個人的な訪問で、期待して訪れましたが、「今年の当歳は特に出来が良い」と、話されているだけあって、小川さんの系統の特徴が、高いレベルでさらに安定してきている事を、より感じさせる一日となりました。
 下の写真の当歳魚は、全てが異なる10尾で、各鉢から1尾を無造作に洗面器に上げてみて、特にひどい欠点が無ければ、その魚をそのまま撮影したものです。
 1鉢全ての魚を洗面器に上げて探せば、もっと良い魚がいくらでもいる羨ましい状態で、あきれてしまうほどでした。
 何れもがよく尖った顔に、口先から腹にかけてのラインが素晴らしく、綺麗な卵型の腹止まりで、「誰が見ても上品に感じる魚」との表現がピッタリきます。
 「小川さんの魚の人気ぶりも無理は無い」と感じさせる卓越した創りに、ただただ感心するばかりです。
 夕方の撮影であり、鮎餌を朝一度与えただけ、空腹状態で、水も少し傷み始めていながら、どの魚もこれだけの姿を見せています。
 この秋には、どこまで伸びて来るのか恐ろしいほどのものを感じます。
 どれも尾の後と袋が大きく、親骨は柔らかく張りながら前を極めており、よく泳ぐ魚達です。
 1鉢に6尾前後と、サイズも大きすぎず、無理の無い成長を感じさせます。
 試しに1鉢分の魚を全てすくってみると、右の写真のような感じでした。何れも揃って高いレベルの魚で、氏の言を裏付けます。
 下の漆黒の魚は、以前も紹介した魚で、クロデメキンと同様に赤色色素が抜けて黒色色素の沈着が一層進んだ状態だと思われますが、突然変異と言うべきか先祖返りで隠れていた遺伝子が発現したかは不明ですが、どちらにしても珍しい魚です。
 また、右下の魚は、顔に血管が浮き出ている状態の面白い魚です。
 「変わった魚が出る年は、当歳魚の出来が良い」と言われてきたジンクスは、この魚たちが証明してくれている様で、今年もこの言葉が当たりそうな感じでした。
 一方、下の写真は二歳魚で、何れもサイズが十分で、迫力のある魚に成長していました。個人的には左の2尾の安定したバランスの良い姿でありながら大きな反しに惹かれますが、力強さでは右端の魚に、後の大きさでは右の素赤に軍配が上がりそうで、何れも譲らぬ魅力ある形質を見せてくれています。

丸鉢ライン

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