土佐錦魚日記「トサキンにっき」

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2005年9月28日(水)
品評会の打ち合わせ

 今日も丸鉢は16℃とほど良い冷え込みで秋本番の気候が定着して来ました。ただ、日中は27℃まで上がっていて、金曜日に知人に分譲する二歳を、5尾も詰め込んでいた80Lプラ舟では、青水化が急速に進んで、尾に若干ガスが入っていました。そのため、他の舟や鉢と合わせて、夕方あわてて全換えとなりました。

 丸鉢の当歳魚は、相変わらずよく食べて、よく消化している様子で、夕方にはフンが目立たない状態です。ただ、給餌回数が不足しているためか、なかなか腹回りの太みが出てきません。

 話は変わりますが、広島の品評会まで残り20日を切りました。今日は、昼過ぎから仕事を休んで、会長さんと準備などの打ち合わせを行ないましたが、今年の出品数は昨年の3倍程度となる見込みのようです。一般見学も受け入れる事としましたので、見学希望の問い合わせも多く、来場者も3倍以上になりそうな雰囲気もありますが、会場が個人宅ですので、駐車場の確保が不可能で、参加者や見学の方には不自由をおかけしますが、ご協力をよろしくお願い致します。

 打ち合わせの後は、会長さんの魚を見せて頂きましたが、さすがにどの鉢にも品評会魚が居る状態で、
良い勉強となりました。また、褪色が終わっているものも数尾いましたが、中でも目先と体位が非常に気になる1尾を見つけ、無理やり分譲して頂きました。この魚は純粋なO氏の系統との事でしたが、珍しく鹿の子更沙で、来年の親としての活躍を期待しての導入です。この場をお借りしてお礼申し上げます。

2005年9月27日(火)
水換えと水温差

 今朝も涼しい朝でした。丸鉢は15℃で、秋の気候が続いています。今日は、仕事で帰りが遅くなった事もあり、朝2回のみの控え目な給餌となりました。帰宅後の夜、ライトを点けて様子を見ると、わずかに少し目の出たものがありましたので、再び給餌量をさらに少なくしてみるつもりです。給餌を控えたり、逆に集中的に食わし込みをしたりて、給餌量のバランスはなかなか難しいものです。

 さて、昼夜の水温差が大きくなると、問題となってくるのが貯水タンクと丸鉢の水温差です。うちでは、貯水タンクを、メインの600Lとサブの150Lと2つを用いています。エアーを強くかけている状態ですが、朝までに冷えきるような事が無いため、いつも水温は高めで、その差は昨朝で7℃もありました。


 私の場合は、仕事などの都合で、朝夕の短時間の換水と給餌が必要条件です。そこで、昨夜は貯水タンクの蓋をとって今朝を迎えてみました。結果は水温差2℃でしたので、換水時に洗面器を浮かべて水温合わせをする時間が短縮しました。水温差が5℃以上では急激な変化に魚体への負担が大きいとされていますが、今後も夜間はタンクの蓋を外して、早朝の換水に備えるようにしてみます。

2005年9月26日(月)
低温と食欲

 今朝は昨日よりさらに水温が下がり、丸鉢はなんと14℃、プラ船でも15℃で、手を入れると冷たいほど、本当に冷え込みました。台風の影響もまだ残っているようですが、うちでは屋上で飼育しているので非常に風が強く、秋の冷えは一気に来る様子です。

 今日の給餌は、朝6時と7時、ライトを点けての夕方6時30分と、合計3回の給餌で、平日はこれが精一杯です。夕方確認すると、昨日と同様に、やはりフンの出はかなり少なく、消化吸収が盛んな様子が伺えます。20℃前後が土佐錦魚の成長には最適な水温という事もあり、この2〜3日は非常に食欲がある様子で、餌を与えた分だけ、一回りも大きくなったように感じるほどです。調子に乗って餌を与えすぎると、顔が崩れて、目幅も出てくるので、明日は少し餌を絞る予定です。


 しかし、ふっくらと腹の出た土佐錦魚はやはり良いもので、どんな欠点のある魚でも非常に良く見えた1日でした。1日のうちでも良く見えたり、悪く見えたりと、本当に違う魚に見えるほど、姿が違っているのは、土佐錦魚の不思議な所です。

2005年9月25日(日)
鱗の再生状況

 今朝は非常に寒い朝で、丸鉢は16℃と冷たく、動きもかなり緩慢でした。日中も23℃までしか上がらず、急にまた秋を感じさせる1日でした。

 昨日から飼い込みに入り、給餌の回数と量を増やしています。(といっても休日限定の給餌方法で、平日は1日1〜2回の従来どおりですが・・・)ただ、昨日は午後にあまり時間が取れなかったため、午前中に多めに2回、夕方少なめに1回の給餌でしたが、急に給餌量が増えた事と、日中が30℃と水温がかなり上がりすぎて消耗も激しかった事もあり、腹出しには特に変化は無く、かえって消化不良でフンも切れ切れの透明部分があり、一部は水面に浮かんでいる有様でした。

 今日の給餌は、朝1回、昼すぎて2時間ごとに3回、計4回の給餌で(量はトータルで昨日同様で普段の倍量程度)、それぞれ10〜20分程度で食べ尽くす量を与えました。日中も水温が上がらず、消耗も少ないようで、フンの出が極めて少なく消化も良い様子でした。そのため、昨日とはうって変わって驚くほど腹の出が良くなって、みな丸々としていました。

 さて、写真は、先週鱗が剥がれた当歳の朝の様子ですが、思いの他、早く再生が始まっています。特に側線部分の鱗は再生が早いようで、写真でも新しい鱗が出来ている状態が良く分かります。この調子であれば、回復が
遅れるような事も無く、後3週間位でなんとか形だけは十分に出来ると思います。


【被害当日】
C

【1週間後】
2005年9月24日(土)
当歳魚20週目の変化

 しばらくは夏に逆戻りの暑さも続いていましたが、ここ数日、朝晩は秋らしくなってきました。今朝の丸鉢の水温は22.5℃でしたが、昼間の30℃近い水温との較差が、今後は腹回りの太りと顔の尖りを助けてくれるようです。

 写真を撮って、毎週比較する事を続けているおかげで、その1週間の管理を振り返ると、どのような影響が出たのかを推察する事が出来ます。

 今は飼い込みに入る時期ですので、通常では日に何度にも分けて、餌を十分に与えるべきところですが、早くから1鉢3尾としたために成長が早くなっている事も考慮して、ここまでは控え目の管理をしています。

 今週は週末の3日間、餌をイトミミズからアユ餌に切り替えて、量も普段の1/3を、朝一度だけの給餌としました。結果は、写真でもわかるように、目幅や目先の尖りは維持していますが、腹は僅かに細くなっているようです。また、その他には目立った変化はなく、抑え目の飼育はたちまち成功しているように感じます。

 ただし、腹出しをこのままにはしておけませんので、今日からは、給餌量と回数を徐々に増やして太みをつくって行きたいと思います。

【先週19週目】 【20週目】
@
A
B
2005年9月22日(木)
広島土佐錦魚の会 「品評会のご案内」

広島土佐錦魚の会 会員の方へ
 今日の夜、遅くなりましたが、10月16日に行なわれる品評会の案内を、メールで会員の方にそれぞれお送りしました。メールの環境がない方には明日FAXでお送りするつもりです。

一般見学について
 また、品評会の見学ですが、以前から何人かの方から、問い合わせのメールを個別に頂いております。近々ご案内をするつもりですが、連絡先が不明な方もあります。FAXなどで会場周辺の案内図をお送りするつもりですが、この日記をご覧頂いていれば、改めて確認のメールを頂ければ幸いです。なお、会場は副会長の個人宅ですので、交通手段などご配慮頂ける様よろしくお願い致します。
 

2005年9月19日(月)
ガクトの仔の両親を訪ねて

 昨日は、O氏の所を見学させて頂きました。訪れる度に色々な事を教わる事が出来て、確実に自分自身の向上を実感できるので、いつもながら非常に良い勉強となりました。

 今回も収穫となる事柄は非常に多かったのですが、「適正な大きさ」にまつわる飼育管理のポイントが特に心に残りました。この日記で紹介し続けている3兄弟は、早くから数をしぼりすぎているため、大きくなりすぎているのを痛感させられましたが、同時に、腹出しの状態や体位については上手に出来ているとの言葉とともに、この3尾を非常に高く評価して頂いた事で、これからの励みともなりました。


 写真は、昨年の二歳の覇者のO氏のガクトです。今年は3歳となりますが、泳ぎが非常に安定しており、力強さを感じさせます。昨年の品評会以来久しぶりという大型洗面器での撮影で、特別に時間をかけて撮影させて頂きましたが、やはり実物の存在感は写真では表すことが出来ません。ただ、写真はせっかくですので、いつもより大きなサイズで掲載しています。また、訪問記の方も「ガクト特集」で、更新しましたので、あわせてご覧下さい。この魚の素晴らしさの一端でも伝われば幸いです。

2005年9月18日(日)
鳥害?イタチ?悪夢再び・・・

 全施設をネットとフェンスで覆っているのにも関わらず、鱗が剥げる魚が激発しています。幸いにも、まだ1尾も死んだり居なくなったり(捕られたり)したものはありませんが、深刻な状況です。

 この1週間は特に被害が激しく、昨日紹介した3尾は写真のとおりでほぼ無傷ですが、このC「思わぬ伏兵」が、昨日の朝、片側の鱗が6〜7枚剥げて、一部には血が滲むような状態となっていました。来月の品評会はあきらめざるを得ない状態で、やむを得ず戦線離脱です。

 5月以降の防鳥フェンス完成以降、時々2歳や稚魚にも鱗が剥げる症状が出ていましたが、何かが入っているとは考えにくく、何かに驚いて、あるいは病気や寄生虫などのため、自ら鱗を擦って剥いだのだと自分に言い聞かせていましたが、ここ最近の鱗の剥がれ方は、これでは説明できない状態です。

 この数日間でも、10尾以上の個体に鱗のはがれが見られているのですが、被害を受ける鉢には偏りが無く、無差別の犯行のようですが、犯人は判らずじまいです。被害魚は共通して腹部側面上部を片側のみの鱗に傷や剥がれがあるので、魚体を挟めるような大きな鳥(カラスやサギ)の仕業だとは考えにくく、イタチか小型の鳥の可能性が高いと推察されます。ただ、ネットの隙間については上部では最大で4cm部分がありますが、万一ここから入ったとしても、ここから鳥が出るのは困難な形状になっていますので、イタチなどが疑わしい所です。ただ、2階の屋上にイタチが上がってくる手段はあるのでしょうか?

 対策として、急遽以前使っていた目の細かいネットで、昨日の3尾が入っている丸鉢のみは覆いを直接かけていますが、緊急に他の鉢や舟も対策を講じる必要があります。


【先週18週目】
C

【19週目】
2005年9月17日(土)
19週目の当歳魚

 秋の彼岸も近づき、今朝も水温は22℃と朝晩の涼しさが定着してきそうな気配です。この1週間でかなり朝晩が冷え込むようになり、朝は20℃前後まで下がっています。

 今回も個体別の写真を撮って、先週と比較しています。餌はかなり控え目でしたが、体長は8cm程度と少し大きくなったようです。日が短くなって、ほぼ朝1回の給餌となっているためか、普段は感じるほどの腹の出の違いはありませんが、若干ですが顔の尖りは良くなっているようです。また、尾の大きさにも僅かに成長のあとが見られます。

【先週18週目】 【19週目】
@
A
B
2005年9月16日(金)
涼しい朝と短い日長 ・・・貯水タンクの水温差・・・

 今朝の丸鉢の水温は17℃。保温材として3cm厚の発泡スチロールで、底と側面を覆っているプラ舟でも、19℃と、非常に冷たい朝となりました。

 この寒さで腹出しと目先の尖りを期待したい所ですが、なかなか思うようにはいっていません。日の出が遅くなってきた事で、朝の管理時間が不足する状態で、不本意ながら夕方の換水への切り替えを強いられてきている事が、大きな原因のひとつと考えられます。

 夕方の換水時には、炎天下で日中熱せられたタンクの水を使わざるを得ない状況になっています。先日までこのタンクの水温は32℃前後で、飼育水との水温差は5℃もありました・・・。ただでさえ高い水温の27℃を32℃にするのは、魚への負担が非常に大きく、悪影響は避けられないと想像されます。

 そのため、今朝は薄暗い中、手探りで無理やり10鉢を全換水しました。朝も、タンクの水は夕方同様に水温差が5〜6℃高い状態ですが、20℃を25℃にする換水は、むしろ望ましい状態だと思いますが、暗くて魚をじっくり観察が出来ない事が問題です。

 どちらにしても、急激な水温の変化を和らげるため、換水時には洗面器ごと浮かべて、徐々に割り水をしたい所ですが、仕事の都合で時間が無いばかりに、その後の給餌も考えて短時間で移しているのが実態です。水温は急変することになってしまっているので、これは早急にクリアすべき課題です。

 対策としては、@日長に関係なく、夕方の換水が可能なように電気を設置する。Aタンクに遮光資材を取り付けて、水温の加減をはかる。・・・の方法を考えていますが、電機の設置は困難なため、Aについて、近々考える予定です。

2005年9月14日(水)
目が出た魚は・・・

 昨日の夕方に目の出ていた3尾は、1回の餌きりでほぼ元通りに回復したようです。これらの鉢で目が出たのは、ごく最近の数日間を、人工飼料で丸鉢3尾当たりに、指先で軽く4〜5摘みの量を、朝1回のみにまとめて給餌していたため、一度の多量な給餌と換水不足による水質の悪化が発生を招いたのだと思います。
 実は餌の量の比較のため、平行して2〜3摘みにしている鉢もあったのですが、こちらの鉢では全く目が出ていなかったので、明日からはこの量(指先で軽く2〜3摘み)を標準にして、大きさで加減してみようと思います。

2005年9月13日(火)
当歳魚18週目 1週間の変化 C

 先週紹介した「思わぬ伏兵」も加えた4兄弟について、今週から経過を掲載します。

 この魚は顔が非常にシャープな尖りを見せています。ただし、尾筒が短かめで、尾の伸びもこれから、後もまだ小さいという所から、体に対する尾の比率が低く感じるため、現時点では少し頭でっかちで、どこかバランスが悪いように感じます。しかし昨日までに紹介した3尾に比べて1回り小型で7cm程度という事もあり、理想的な涙型の体位も考慮して、今後の尾の伸びでどこまでカバーできるようになるか興味深い魚です。

 最近の管理をいいかげんにしている期待できない魚の入っている他の丸鉢で、今日の夕方、目が出てきている魚を3尾も発見しました。2〜2.5日に1回の換水、貯水タンクの水が3〜5℃も高い状態での夕方の換水、1日1回の人工飼料の給餌量の多すぎ・・・と、原因は多々、ありすぎるほどです。この時期になると完全に期待できる魚とそうでない魚ははっきりとしているので、不要な魚の悪化は惜しくもありませんが、手を抜くとすぐに表れる土佐錦魚の難しさを感じて、気合を入れ直したところです。とりあえず全鉢全換水で、しっかりとコケを落とし、夕飯抜きとしています。


 【先週:17週目】

 【18週目】
2005年9月12日(月)
当歳魚18週目 1週間の変化 B

 写真は「No.3」の魚です。相変わらず親骨は硬いままですが、もう少し反転があれば、将来も見込めるのかもしれません。親骨が硬い分、泳ぎに際しても尾のたるみや皺が出難く、写真には非常に撮り易い魚です。
 
 一見すると、最も尾が大きく見栄えのする魚ですが、この1週間で少し顔つきが悪くなってきたようにも思えます。反面、腹は少し出てきたようで、丸手で背幅の太い体型には磨きがかかっているようです。体位のバランスは非常に気に入っている魚です。

 今日は残暑が厳しく暑い一日となりました。最近では日が昇るのが遅くなったため、朝の換水が出来ず夕方に換水をしています。今日は帰りが遅くなり、暗がりの中、5鉢のみの換水、夕方の給餌は無しとなってしまいました。


 【先週:17週目】

 【18週目】
2005年9月11日(日)
当歳魚18週目 1週間の変化 A

 今日は「No.2」です。以前「もう少しで角尾」と紹介した魚ですが、この魚は親骨が柔らかいために、静止状態の画像(上)と静止寸前の画像(下)の2枚ずつを比較しています。
 この魚は、親骨が金座の部分から体の中心線に対してほぼ直角に出ているため、今後も尾が流れることなく、成長に伴って硬くなり十分に張ってくると思いますので、親骨の柔らかさは特に気にする事は無いと思っています。

 この魚も1週間で、腹が僅かに出て体位の充実が感じられます。また、尾の後も少し大きくなっているように感じられます。親骨が若干前に来始めてきたのか、尾芯付近も少し伸びてきたのか、角尾のイメージからは少し遠ざかりつつありますが、より良い魚になりつつあり喜ばしい事です。


【先週:17週目】

【18週目】
2005年9月10日(土)
当歳魚18週目 1週間の変化 @

 今回から、毎週土曜日に掲載している1鉢3尾の集合写真は、揃ってのシャッターチャンスがなかなか撮れないので廃止です。
 その代わりに、個体別のアップの写真を先週と比較する形で掲載する事としてみました。


 写真は4兄弟の「No.1」です。目先から腹のラインが非常にきれいで、体高も少し出てきたのでしょうか?先週より洗練された体位となっているようです。さらに、非常に嬉しい事に一番期待のかかる尾の後ろの幅がここに来て広がってきているのが解ります。

 イトミミズの入手が困難な状況の中、この1週間の給餌は、一時的に完全に人工飼料に切り替わっています。ただし、この4兄弟を含む品評会候補の2鉢に限っては、僅かに確保できたイトミミズを節約しながら3:1位の比率で、一部を人工飼料で補いつつ混合で与えています。


【先週:17週目】

 【18週目】
2005年9月9日(金)
秋に向けて舟の整理の計画を・・・

 この秋には、当歳魚をプラ舟に移しますので、この冬の体制もそろそろ決めて、不要な魚と残す魚の選出を考えておく必要があります。

 当歳魚をハネて処分するのにくらべて、二歳以降の処分はやはり気がひけますので、出来るだけ貰い手を捜したいものです。写真の二歳魚は4尾セットで、水槽飼育をされるという方の所へ行く事になりそうですので、プラケースに入れて、あえて横見の写真を撮ってみました。

 横見は初めて見る個体ばかりでしたが、ここまで残している魚だということを差し引いても、思いの他、良さそうに見えるものだと感じました。写真では前のめりに見えるものもいますが、実際の尾付けは水平です。

 先日、一般の方へ当歳魚のハネを引き取ってもらうために、「トサキンを睡蓮鉢で楽しむ」のページを作り、睡蓮鉢での屋外飼育を勧めていますが。二歳魚以降の飼育には水槽飼育も良いのかもしれません。
 「トサキン飼育は難しい」と、ほとんどの飼育書に書かれていますが、そのおかげで「水換えを徹底する事」、「餌を控え目にする事」の2つを強調すれば、私の少ない経験の中では、かえって初心者の方は十分に気をつけて管理をしてくれるので、失敗は無いようです。二歳魚以降は、体力もそこそこありますので、生かすだけで楽しむ目的なら、水槽飼育もひとつの道だと思います。

2005年9月8日(木)
思わぬ伏兵!

 今朝も丸鉢の水温は20℃で、かなり寒さを感じさせるようになって来ました。また、陽が落ちるのも早くなり、夕方6時45には真っ暗なほどです。そのため、明日からは1日朝1回の給餌となる見込みです。

 昨日、何気なく換水中の洗面器を見ていると、今まで気が付きませんでしたが、なかなか良い形になっている魚を見つけました。

 この当歳魚も実は下の3兄弟と同腹で(残しているのは4尾なので以後は4兄弟というべきでしょうか?)、7/31の日記で紹介した体色の薄い魚です。あの後、色の違いは徐々になくなって来たので、原因は体色を周囲の色に同化させる能力の違いのようだと思っています。

 この当歳魚は今までの魚にくらべて、1回り小型ですが、目先の尖りと体位が理想的な姿をしていると思います。親骨もまだ柔らかく張りも十分でないため、皺も心配ですが、尾筒も太く渡りも十分にあるので、あとは尾芯が伸びて後が大きくなる事を願うばかりです。

 ちなみに、この魚はあまり期待していない鉢に入れていたので、イトミミズの節約のため、1ヶ月位は人工飼料のみでの飼育です。それにしてもこの目先とは・・・。やはり系統は、恐ろしいほどの違いを見せてくれます。

2005年9月7日(水)
別の角度から「もう少しで角尾」

 昨夜の深夜から今朝にかけて広島に最接近した台風ですが、私の所では幸運にも被害は無く、土佐錦魚も施設も無事でした。非常に多くの雨が降り込んでいる状態ですが、早朝はまだ風雨が強く、換水が出来なかったので、夕方とりあえず丸鉢だけ全てを換水して、少な目の給餌としました。影響が無いかと思っていた土佐錦魚ですが、洗面器に上げてみると、何匹かは物音に驚いてか鱗がはがれているものや、尾に裂け目のあるものがありました。

 写真は一昨日の「もう少しで角尾」です。この3尾の中ではもちろん、現在残している30尾の当歳魚の中でも、最も柔らかい尾をしている魚です。
そのため、尾がきれいに広がる写真を撮るのが難しく、撮れた写真にも角度によって大きく違って見える魚です。前回の写真は少し前のめり姿勢でしたが、今回はほぼ水平の写真で、泳ぎきって止まる寸前の様子です。静止すると親骨も前に来て一昨日の写真のようになります。

2005年9月6日(火)
評価第1位の当歳魚

 今日は3兄弟の中で、当歳魚として最も良い素質を見せている魚です。2週間前は全体的にまとまりは良いのですが、際立った長所が無い事から「可も無く不可もなく」としていました。しかし、先日のO氏の評価により、一転して1番の期待魚となりました。
 確かにこの2週間でも非常に伸びており、尾の大きさも他の2尾に遜色がなくなりつつあります。また、尾肩のしなりが良く、尾芯も真っ直ぐに通っており、腹型、金座と非常に優れているように思えます。
 まだ、前決めが十分でないため、尾の張りにはゆるみも見られます。親骨が前に来て、尾を広げるようになるのが早いか、皺が出るのが先かの争いのようです。
 この3兄弟は、完全純粋なO氏の系統魚ですので、この魚に関しては誰よりも先の見通しが立つO氏から、「皺の出る可能性もあるが、どちらにしても二歳以降に非常に良い魚となる」と過分に評価して頂き、さらに楽しみが増えました。

 現在午後7時ですが、広島にも台風が接近中で、非常に強い風が吹いています。今年から施設を屋上に移しましたが、初めての本格的な台風の接近に備えて、ネットを縛ったりブロックでおもりとしたりと、一応の備えはしていますが、非常に心配です。
 夕方気になって見てみると、丸鉢の当歳魚は、波打って水が揺れる鉢の底でじっとしているかと遠くから伺って見ると、意外にも普段どおり周りのコケをつついて盛んに泳ぎ回っていました。さらに近づくと、人影を見て寄って来て餌を欲しがりましたが、明日の朝には通り過ぎるようなので、それまでは餌もお預けです。 

2005年9月5日(月)
評価第2位の当歳魚

 昨日の魚に比べて、親骨も尾自体も非常に柔らかい魚です。腹はまだこれからの感がありますが、目先の鋭さは昨日の魚よりはるかに勝っています。
 前決めがまだのため、迫力に欠けますが、渡りの長さも昨日のものに劣っておらず、来年以降も期待が持てる魚で、これからが楽しみです。
 なお、この魚は「褪色が始まった」とずーっと以前に書きましたが、その後一向に進んでいません。いまだに体色がややまばらになっていますが、体色の兆しではなかったようです。「もう少しで角尾」の特徴はいまだに見せていますが、まだ、尾の張りが弱く、尾芯を中心に左右が少し下がっているため、この角度では角ばっているようには見えていません。

 それから、昨夜遅くにホームページに「トサキンを睡蓮鉢で楽しむ」という、このサイトにふさわしくない趣旨の異なる内容のページを追加しました。
 このページは、ハネの稚魚の処分に際して、分けてあげる方への簡単な飼い方の説明資料として作っています。私自身も今年は数名の方に稚魚をもらって頂きましたが、その折に質問があった事を簡単にまとめてみました。
 来年からは、このページを印刷して、稚魚、餌、水草、飼い方の資料をセットで合わせてお渡ししようと思っています。内容は未熟なものですが、「土佐錦魚を創る」をご覧頂いている方で、必要があれば、自由に印刷してご活用下さい。
 なお、印刷の際は、インターネットエクスプローラーの文字サイズを「小」にし、印刷のページ設定で余白を最小にするとA4版2枚にきれいにおさまる様になっています。

2005年9月4日(日)
評価第3位の当歳魚

 この写真の魚は、2週間前に渡りとバランスの良さで一番のお気に入りとして、紹介した魚です。
 早くから3尾にしてしまったため、現在7cmくらいと少し大きすぎのようです。尾の後も広がりを見せ始め、腹も出始めてきましたが、3尾の中では最も親骨が硬く、早熟な個体ですので、2歳以降はあまり期待できない魚となるとの評価でした。


 ここまでは、ほとんどイトミミズで育てているので3尾とも良い目先をしています。ただ、残りの在庫も無くなりつつある中で、ガチンコ土佐錦魚道の新土佐日記に、「再び入手の見通しが立たなくなった」との掲載もあり、次の入手はかなり先になりそうですので、そろそろ人工飼料に替え始めようと思います。大きさも転換時期のサイズでもありますし・・・、今日はとりあえずアユ餌のみとしました。

2005年9月3日(土)
17週目の当歳魚

 17週目ともなると、右のような集合写真は、非常にタイミングがあい難いので、明日からは再度、15週目と同様に個別に写した写真を、順次掲載して見る予定です。先週に比べて腹出しも良くなり、尾も若干大きくなっているようです。

 昨晩は、O氏と電話で長話しをしてしまいましたが、その中で、この3尾について触れて頂き、過分に評価して頂きました。その折に、あわせて当歳魚の見方について、この3尾を例に解説して頂いた事は非常に勉強になりました。

 見方の主なポイントは、「現在表れている特徴から、来年以降の二歳・親魚の姿を推察して評価を行なう」というものでした。親骨の硬すぎるものは当歳でどんなに良くとも続かず、だめになるものが多いとの事でした。

 そのため、この3尾の品評会での順位は、以前の日記に各魚のアップを掲載した順ではなく、写真右端の魚から左にかけての順となるとの事でした。土佐錦魚は奥が深い事を再確認した次第です。

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